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紫外線と光老化の科学
「光老化」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。加齢による自然老化とは異なり、紫外線の蓄積によって引き起こされる肌の老化現象を指します。ここでは、UVAとUVBがそれぞれ肌にどのような影響を与えるのか、そのメカニズムを解説します。
UVB(280〜315nm)は主に表皮に作用します。表皮細胞のDNAに吸収されると、隣接するチミン塩基同士が異常結合し、チミンダイマー(CPD)を形成します。これがDNA損傷の直接的な原因です。
損傷が蓄積すると、細胞はアポトーシス(細胞死)を起こすか、修復に失敗して突然変異を生じます。これが「サンバーンセル(日焼け細胞)」の正体であり、長期的には皮膚がんのリスク因子となります。
UVA(315〜400nm)はUVBより波長が長く、真皮層まで到達してコラーゲンやエラスチンを分解します。具体的には、UVAが線維芽細胞に作用し、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)という酵素の発現を亢進させます。
MMPはコラーゲン線維を切断する酵素です。UVAへの慢性的な曝露により、コラーゲンの分解が合成を上回り、真皮の構造が崩壊します。これがシワやたるみの原因です。
UVA・UVBともに、肌の中で活性酸素(ROS: Reactive Oxygen Species)を大量に生成します。ROSは細胞膜の脂質を酸化し、タンパク質を変性させ、DNAを損傷します。ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化成分が重要視されるのは、このROSを中和する働きがあるためです。
光老化と自然老化では、肌に現れる変化が異なります。自然老化は、細かいシワや皮膚の薄化が特徴です。一方、光老化は深いシワ、濃いシミ、肌の肥厚(皮革様変化)を引き起こします。
紫外線にあまり曝露されない部位(内腕や腹部)と、常に曝露される部位(顔や手の甲)の肌を比べると、同じ年齢でもその差は歴然です。この違いこそが、光老化の影響の大きさを物語っています。
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